Comparison of predation risks for small fishes in salt marsh microhabitats in Lake Hinuma, eastern Japan, using tethering experiments
Kaneko S, Kanou K, Sano M
涸沼の塩性湿地の微小生息場所間における小型魚類の被食リスクの比較
金子誠也・加納光樹・佐野光彦
要約 塩性湿地のクリーク上流部と下流部および湿地前縁部において,ミナミメダカ(低酸素耐性をもつ遊泳魚)とアシシロハゼ(底質に似た体色をもつ底生魚)の被食リスクを糸つなぎ実験で調べた.前者の生残率は,水深が浅く低酸素の上流部で高かったが,前縁部では低かった.一方,後者の生残率はどの場所でも高かった.魚食魚は前縁部で多く,上流部ではほとんどいなかった.これらの結果より,上流部はミナミメダカの避難場所となっていることが示唆された.またアシシロハゼでは,魚食魚が多く存在してもあまり捕食されないことがわかった.
Fisheries Science, 85: 457–463. 2019年5月.