茨城県北浦のヨシ帯における魚類群集構造の季節変化
碓井星二・加納光樹・荒山和則・佐野光彦
要約 茨城県北浦のヨシ帯で,2年間にわたって魚類群集構造の季節変化を調査した.調査期間中に仔稚魚を中心とした9科22種が採集された.種数と個体数は春季から夏季にかけて多かった.個体数で優占した種はヨシノボリ属の一種,ブルーギル,ヌマチチブ,シラウオ,ウキゴリ,モツゴ,ワカサギ,クルメサヨリであり,これらの出現パターンは周年滞在型(5種),季節的滞在型(2種),通過・遇来型(1種)であった.したがって,ヨシ帯はさまざまな魚種によって定住の場や,一時的な成長の場として利用されていることがわかった.
日本水産学会誌, 81: 964-972.2015年11月.