要約 Nakane et al. (2011)

Food habits of fishes on an exposed sandy beach at Fukiagehama, South West Kyusyu Island, Japan.
Nakane Y, Suda Y, Sano M

鹿児島県吹上浜における魚類の食性
中根幸則・須田有輔・佐野光彦

 

要約 鹿児島県吹上浜において,採集された全魚種(55種)の食性を精査した.その結果,9種(トウゴロウイワシ,スズキ,マアジ,シロギス,ヤマトカマス,ヒラメ,ササウシノシタ,クロウシノシタ,クサフグ)において,成長に伴う食性の変化が認められた.各種の胃内容物から得られた餌項目に基づき,クラスター分析を行ったところ,魚類は6つの食性グループ(アミ類食,端脚類食,動物プランクトン食,魚類食,陸生昆虫類食,貝類食)に分類された.これらのグループの中で,とくにアミ類食,端脚類食,動物プランクトン食は種数が多く,逆に陸生昆虫類食と貝類食は少なく,それぞれ一種のみであった.したがって,アミ類や端脚類などの表在性無脊椎動物や動物プランクトンは吹上浜の魚類にとって重要な餌であるが,それに比べ多毛類や二枚貝などの埋在性無脊椎動物は重要度が低いことが明らかとなった.

Helgoland Marine Research, 65: 123-131.2011年6月.